先週1週間かけて、ヒッチハイクで関東・東北へ旅していた。
関東へは単純に会いたい人が居たから行った。でも、東北へは単純な目的ではなかった。
「3.11から5年経った今、被災地を自分の目で見てみたい」
震災当初は、下手に騒ぎ立てず、募金だけする方が賢いと思っていた。正しい知識が一切無いなか、震災について「ああだこうだ」と言う人は、どれも無責任で馬鹿に見えたから。
今になって思えば、それは”逃げ”だったのかもしれない。僕は3.11を、自分とは全く関係のない、どこか遠い世界の出来事のように思っていた。テレビやネットで流れる情報も見ようとはしなかったし、ボランティアに行こうとも思わなかった。
きっと、震災の被害を受けなかったほとんどの人がそうだろう。
「なんてひどい光景なんだろう」
「被災者が大変そうだ」
「もう、あれから2年経つのか」
……なんて、いかにも真剣で親身そうな言葉を吐くだけで、防災用具の1つも揃えない、近くの高台や避難場所がどこかも知らない。
そんな傍観者だったはずの僕が、今回被災地に行ってみようなどと思ったのは、なんだか一度は見ておかなくてはならない気がしたからだ。
「機会があれば」とは、いつも思っていた。今回たまたま、その機会に恵まれた。
「せっかく関東まで来て、少し時間はあるんだし、寄っていこうか」
そんな気まぐれに過ぎない。
目的地は福島県いわき市。時間も金も有り余っているわけではなかったので、関東から近そうな被災地を選んだ。
東名高速の港北PA(神奈川県)から、東北へ向かう車を探し、出口付近でボードを持っていた。
何人かに声をかけられ順調に思えたが、最初に乗った車が皇居付近で降りてしまい、その後高速に乗る車が見つからず初回はあえなく失敗に終わった。
前回の反省を活かして、全国のPA・SAが分かる地図を買い、守谷SAから開始した。何台も乗り換えるのは面倒だったので、”いわき”ナンバーの車を探し声をかけていった。
結論から言うと、目的地のいわき市まで行くのに乗り継いだ車は3台。自分が思っていた以上に乗り継ぐことになったが、ドライバーはみんな被災地域に住んでいた。
だから、たくさんお話を伺うことができた。本当に、自分が思っていた以上に、たくさん。
書いている内に、あまりに長くなってしまったので、何度かに分けて書かせていただくことにしました。
なお、この記事内で使われている写真はFlickrから取ってきた、3.11当時の写真です。今回僕が撮ってきた写真ではありませんので、誤解の無いよう、よろしくお願いいたします。
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