どうも、のさか(@breakconnect)です。
僕はもうかれこれ20年来、コミュニケーション障害(ここでは口下手・人見知りの意味])に悩まされてきて、脳内で会話を組み立ててから話すとか、1人反省会するとかはもうお手の物でして……。
コミュ障のくせにライターなんか名乗ってるものだから、初対面の方にインタビューさせていただく機会があるわけですが、これもあまり上手じゃないなぁと。話題が思いつかず、会話が続かない。
それで、上手なインタビュアーの記事を見たり、自分がインタビュアーの録音を聴き返したりして、どうすれば上手くなれるかをひたすら研究していたのですが、そこで決定的に違うポイントを見つけました。
最近はそのポイントを意識して話すようにしているのですが、これが想像以上に効果を発揮していて、自分でもびっくりしています!
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コミュニケーション障害は「会話」をしていない
コミュ障にも色んなタイプがあるので、一概には言えないのですが、「会話が続かない!」「共通の話題がない!」という悩みを抱えている人の大半は、本質的に「会話」をしていないんですよ。
「会話」というのは、キャッチボールのことです。問い掛け・受け答えの繰り返しのことです。
これだけ言うと「そんなことは分かっている! そのキャッチボールが上手にできないから悩んでるんだ!」と思われるかもしれないのですが、あなたのやっているそれは、本当に「キャッチボール」でしょうか?
自分がキャッチボールだと思っているだけで、実際はただのノックになっていませんか?
図示すると分かりやすいと思うのですが、キャッチボールというのは、1つ、ないしは、少数の話題を深掘りしながら、繰り返していくことです。これは双方向的であり、どちらもしっかりと問い掛け、受け答えができています。
一方、ノックは、次から次へとボールを打っていくように、複数の話題を出していくことです。これはほとんど一方的であり、ボールを打っている側は、受け取る側から返ってくるボールをまともに受け取っていません。
キャッチボールを「会話」とするのであれば、さしずめノックは「尋問」と言えるでしょう。
「尋問」は1つ1つの話題に対しての掘り下げが浅いので、すぐに話題がつきやすく、会話が続かなくなってしまいがちです。
具体的な会話例で見てもらえれば、一発でその違いが分かるかと思います。
■会話
A:好きな歌手は?
B:BUMP OF CHICKEN!
A:BUMPいいよね! どの曲が好き?
B:うーん、ギルドかなぁ。
A:ギルド俺も好きだわぁ。ギルドの人形劇版のMVって観た?
B:観た観た! あれはほんと泣けるよね! 特にあの……
■尋問
A:好きな歌手は?
B:BUMP OF CHICKEN!
A:好きな食べ物は?
B:カレーかな。
A:好きな動物は?
B:犬。
A:(やばい話題尽きた)・・・。
B:(なんか気まずい)・・・。
上の例は、お互いBUMP OF CHICKENが好きだから成り立っている会話に見えますが、仮に一方がBUMP OF CHICKENを知らない人だとしても以下のような会話は成り立つかと。
A:好きな歌手は?
B:BUMP OF CHICKEN!
A:ばんぷおぶちきん?
B:え、知らない? 『天体観測』とか聴いたことない? 「見えないものを見ようとして〜」って曲。
A:あぁ、なんか聴いたことあるような気がする。どういう系の歌手だっけ? ロック? ポップ?
B:4人組のロックバンドだよ。でも、比較的ロック感はないかも。
A:ロック感の無いロックバンド笑 どういうところがいいの?
B:まず、ギターボーカルの藤くんが書く、独特の世界観をもつ歌詞だよね。物語風の歌詞が多くてさ……
「会話」をしないから起きること
とまぁ、コミュ障でお悩みの方は、「会話」をせずに「尋問」ばかりしていることが多いのです。じゃあ、「会話」をしないと一体何が起きるのかをここで説明しておきましょう。
先の例に挙げた「尋問」は、次から次へと新しい話題を出そうとするため、どうしても表面的なものになってしまいます。その結果、親密度を上げることができず、なかなか人と仲良くなれません。
僕らはこの状態によく陥ることを「コミュ障」と思い込むようになるわけですね。すると、「自分はコミュ障だから」と、人と話すことに苦手意識を持つようになるので、なおさら人と話さなくなります。
これが重度になると、人と喋ること自体に恐怖を覚え、人の目を見て話すことができなくなったり、声が小さくなったり、なんだか落ち着きがなくなったりします。
一緒に話をする側はその不安そうな様子を見て、なんとも近寄りがたい気持ちになるので、ますます親密な関係を築くことができなくなります。まぁ、こういう悪循環が実際に起きるわけです。
コミュ障になるきっかけは人それぞれではあると思うのですが、結局のところ「会話」をしないでいると、こうなります。
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「会話」するためのコツ
ではここで、「会話」をするため、つまりは、話題を深掘りしていくための具体的なコツを2つ紹介します。あんまり多用しすぎると、逆効果になってしまうので注意して使いましょう。
オウム返し
1つめはオウム返しです。これは会話術の本に「必ず」と言っていいほど書かれてあることなんですが、大体表面的なことしか書いていないので、目的を理解して使いましょう!
オウム返しには2つの効果があります。
まず1つめは、ある特定の言葉に対して「それはどういうこと(もの)?」という質問をする効果。
会話例でいうとこの部分。
A:好きな歌手は?
B:BUMP OF CHICKEN!
A:ばんぷおぶちきん?
B:え、知らない? 『天体観測』とか聴いたことない? 「見えないものを見ようとして〜」って曲。
これは、「BUMP OF CHICKENって何(どんなアーティスト)?」という質問になっており、自然と深掘りをしているんですよね。
このオウム返しは抽象度の高い話をしているときに、よく使います。
A:教育において最も重要なのは「尊敬」だ!
B:尊敬?
A:そう、尊敬。尊敬というのは、ありのままのその人を受け入れるということだと考えています。というのも……
2つめは関心的な印象を与える効果。
先程の会話例でいうとこの部分。
A:好きな歌手は?
B:BUMP OF CHICKEN!
A:BUMPいいよね! どの曲が好き?
B:うーん、ギルドかなぁ。
A:ギルド俺も好きだわぁ。ギルドの人形劇版のMVって観た?
B:4人組のロックバンドだよ。でも、比較的ロック感はないかも。
A:ロック感の無いロックバンド笑 どういうところがいいの?
B:まず、ギターボーカルの藤くんが書く、独特の世界観をもつ歌詞だよね。物語風の歌詞が多くてさ……
そもそも、オウム返しは相手の話を聴いていないとできないので、「へぇ」「なるほど」といった言葉よりも関心があるように見えやすくなります。
「BUMPいいよね!」の後には「うん、いいよね」、「ロック感の無いロックバンド笑」の後には「そうそう、ロック感が無いロックバンドなんだよね」といったかんじで、Bさんは心の中で声を出していると考えると分かりやすいかと思います。
具体例を聞く
具体例を聞くのは、掘り下げの代表例みたいなものですね。理由を聞くとかでも同じことが言えますが、いよいよ就活の面接っぽいので、ここでは省きます。
会話例でいうとこの部分。
B:え、知らない? 『天体観測』とか聴いたことない? 「見えないものを見ようとして〜」って曲。
A:あぁ、なんか聴いたことあるような気がする。どういう系の歌手だっけ? ロック? ポップ?
B:4人組のロックバンドだよ。でも、比較的ロック感はないかも。
A:ロック感の無いロックバンド笑 どういうところがいいの?
B:まず、ギターボーカルの藤くんが書く、独特の世界観をもつ歌詞だよね。物語風の歌詞が多くてさ……
必然的に相手はその質問に答えますし、質問するというのは、その話題に関心があることを示すことにもなります。
なんだかんだ姿勢が1番大事
さて、ここまではお話して、「よし! 具体的なコツはわかったし、実際に『会話』してみよう!」と思えましたでしょうか?
まぁ、心の底からそう思える人は多分少数じゃないかなぁと思いますし、ここに書いてあることを実践したとしても、最初は上手くいかないことも多いと思います笑
というのも、会話のスキルをいくら磨こうが、姿勢が変わらない限りはそのスキルは何の意味を成さないからです。
教科書通りの会話をしていても、他人の目ばかり気にして落ち着きなさそうにしていたら、親密な関係を築くのは難しいですからね。
結局そういう人って、自分にしか関心が無いからそうなっているわけです。「自分がどう思われているか」にしか関心がないからこそ、なお会話もおぼつかない。
そして、そうなってしまうのを「まだ、スキルが足りないからだ!」と思い込んで、また別の会話術の本を読み漁って、またスキルを身に着けようとする。
本質を蔑ろにしていることに気づかずに。
この記事を見ていただけているということは、そんな自分をなんとかしようと思っていらっしゃるのだと思います。単純に会話を楽しみたいと思っていらっしゃるのだと思います。
その純粋な気持ちをどうか失わずに、スキルばかりに走らずにトライし続けてください!
まずは、人の目を見て話すところから始めると良いと思いますよ!
それでは、本日はここまでで。
ではではー。
▼2019/09/29追記
お仕事でコミュ障に関する記事を書きました。コミュニケーション能力よりも考え方の部分で、「元コミュ障」の識者さんにインタビューしております。よければ、ご参考ください!
「コミュ障である自分も受け入れよう」 作家・書評家の印南敦史さんに聞く、自分との向き合い方
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