音楽におけるストーリーの重要性

どうも、のさか（@breakconnect）です。

音楽業界を見ていていつも思うのですが、どうしてもっとストーリーを有効活用しないんだろうと。

こんな言い方をすると商業音楽（売れるためだけの音楽）っぽくなるのですが、ストーリーほど人の心に刻み込みやすいものはないと思うんです。

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ストーリーが有効になった例

ストーリーが有効になった例としては、ここ最近のアニソンやアイドル曲が挙げられます。

より具体的な例を出せば、高校の軽音楽部を主題としたアニメ『けいおん！』の登場人物で編成されたバンド「放課後ティータイム」の曲。

僕自身アニメを観る前に放課後ティータイムの曲をいくつか聴いたときは、特になんとも思わなかったのですが、アニメを観終わった後はかなり聴くようになりました。

それは、アニメでの出来事が曲に反映されており、その曲にあるストーリーに共感できるようになったからです。アニメを観る前は何気なく聞き流していた歌詞が、アニメを観た後では深みを帯びたものになりました。

アイドルの例で言うなら、AKBはまさにストーリーの宝庫ですね。

特に初期のストーリーは凄くて、ただの地下アイドルが全国区アイドルを目指して、数々の困難を乗り越えていく過程（ストーリー）には熱狂した人も多くいるでしょう。

下の動画は前田敦子が卒業してすぐに出演した『堂本兄弟』での音楽パートです。

前田敦子と高橋みなみの関係性を良く理解している人が下の『右肩』を聴くのと、そうでない人が聴くのとでは全く違った印象を抱くはずです。

こうした強烈なストーリーがアーティスト自体にない場合でも、ストーリーを活用できるところはたくさんあると思います。

それこそ、MV（PV）はやりたい放題です。

KANA-BOONの初期MVでは同じ女優さんが出演していて、MVを組み合わせてストーリーが出来上がっています。

他にもBUMP OF CHICKENの『ギルド』という曲をベースとした『人形劇ギルド』は、音楽がストーリーを、ストーリーが音楽をより素晴らしい作品へと昇華させた好例。

こちらに関しては面白い考察もあるので、そちらを参照していただければ！

最近で言えば、岡崎体育の『MUSIC VIDEO』。これは、曲やMVの完成度の高さはもちろん、この何とも言えない手作り感がMVからにじみ出ているところにこそストーリーがあるのかなと。苦労しながらもワクワクして作った岡崎体育の顔が思い浮かぶような感じしませんか？

MVのほかにも聞き手のストーリーを喚起させるものもあると思います。例えば、卒業ソングが泣けるのは、その歌詞に自分たちを投影させているからなんですよ。意味もないいさかいに泣いた時もあったよね、心通った嬉しさに思わず抱き合ったときもあったよね、と。

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こうしたストーリーは人の心に刻み込まれやすく、曲の魅力をより表現してくれます。

しかし、今の音楽業界、特にミュージシャン寄りのアーティストはストーリーを蔑ろにしていることが多いんですよね。

意味の分からないMV（ほとんどアーティストが演奏している場面+面白くない小ドラマ）が大量に作られ、アーティストは主にカッコいい（可愛い）存在として紹介され、人間味のある部分は消されています。

そもそも今の音楽は昔に比べ分かりづらいものが多い。曲の構成も凝っているし、歌詞も意味深で解釈が難しい。サビだけ異様にキャッチーな曲を作って、CMなどで切り売りすることも多いため曲をまるごと聴くというのも減っているような気もします。

その一方でストーリーのある曲は分かりやすく、共感しやすい。曲全体でストーリーを体現しているのだから、丸々聴こうという気にもなりやすいのではと。

もちろん、音楽にストーリーをつけることによって、その曲の解釈の幅が狭まってしまうというご指摘もあるでしょう。

僕もそのご指摘については半分賛成です。特に歌詞のない音楽は自分の想像力を活用して音楽を解釈していく楽しさも大いにあるでしょう。

ただ、ストーリーは解釈の幅を必ずしも狭めるものではありません。先に挙げた、BUMP OF CHICKENの人形劇のように相乗効果をもたらし、新たな解釈を生み出すやもしれません。

だからこそ、ストーリーを有効活用し、作品をより良い物にしていくことが、今後かなり重要なんです。

今日はこの辺で、ではではー。

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