教育者はいわゆる「無能」な方が良い

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どうも、のさか(@breakconnect)です。

世の中には、凄く優秀な人がいます。主体性があって、頭の回転が早くて、信頼も厚く、「リーダーシップ」という言葉がしっくりくるような人です。

ただ、こういう人は教育者としては、失敗しやすいタイプだなと思うんですよね。むしろ、教育者として成功しやすいのは、世間一般に言われる「無能」な人じゃないかなと。

今回は、その理由について書いてみたいと思います。

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「優秀」な人の元では、人は育たない

世間一般に言われる「優秀」な人というのは、持ち前のリーダーシップや頭の良さを発揮し、適切な指示を出していくものです。

で、その指示を受ける側は、その通りに動けば、大抵の物事は上手く進むことを理解しているんですよね。なんせ、指示を出しているのは自分たちより頭の良さそうな「優秀」な人ですから。

こうして、優秀な人の指示に従って行動していくと、主体性を持って自分の頭で考えなくなってしまいます。その結果、指示どおりにしか動けなくなったり、指示がなきゃ動けなくなったりします。

つまり、指示をくれる人がいない場合、1人では何もできなくなってしまうわけです。

だから、世間一般で言われる「優秀」な人は教育に失敗しやすく、逆に指示を出さない「無能」な人の方が成功しやすいと考えられるのです。自分たちの頭をフルに使って、行動していく他ないですからね。

教育の目的は「自立」

そもそも、教育の目的は知識や技術を身につけることでも、円滑に物事を進めていくために言われたことを守る癖を身につけることでもありません。

教育の真の目的は「自立」を促すことです。他人に依存せず、自分の力で物事をやり遂げる姿勢を身につけることです。

ここで、手取り足取り丁寧に指示を出して(教えて)ばかりいると、指示待ちの癖(「教えられて当然」という姿勢)が身について、自立ができないんです。

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どういう風に「無能」であるべきか?

だからこそ、生徒が自立ができるように教育者は「無能」であるべきなんですが、もちろんただの「無能」だと全く意味がありません。

じゃあ、どういう風に「無能」であるべきかというと、効果的な「問い」を投げかけるだけに留まることだなと。一切の指示も答えも出しやしないけれど、ふと立ち止まって考えてもらう機会を提供することです。

例えば、これはこの間やってみて凄く効果があったのですが、グループディスカッションの際にアウトラインを決めたり、意見を出したりしないで、「これってなんでこうなるんだろうね?」「これはつまりどういうこと?」と言ってみるだけとか。

この2つの「問い」は、考えを深めてもらうことと、考えをまとめてもらうものなので、「ここの論は裏付けなしで、主観で話していたな」とか、「この部分の説明が上手くできていないな」とかいうことに気付いてもらいやすいんですよね。

で、こちら側は一切指示もしていないので、アウトラインは自分たちで作らないといけないし、意見もバンバン出していかなきゃいけない。そうなると必然的に、議論が主体性を帯びたものになってくるんです。

もちろん、議論の進め方はグダグダになりやすいですし、必ずしも良い意見だけが出るわけでもありませんが自分たちで試行錯誤していって、「自分たちの力でやり遂げた!」と思ってもらうことが自立には必要なんですよね。それができない限りは、ずっと蚊帳の外で指示が来るのを待っているだけになっちゃうんです。

最後に

今の世の中を見ていると、Webメディアにしろ、塾講師にしろ、笑いにしろ何にしろ、分かりやすいものが非常に多くなっているなぁという印象があります。そのせいなのか、何でもかんでも、誰かがちゃんと教えてくれるものだと思いこんでいる人が、増えて来ているんじゃないかなぁと。

確かに、分かりやすさを追究することは良いことなのですが、その反面で、分かりにくいことを蔑ろにしたり、分かりやすさを過度に他者に求めたりするのは、ちょっと違うなぁと。

そもそも、そうして分かりやすく教えられる(分かりやすい指示を出してくれる)ことを期待してばかりいると、上に書いたように自立ができなくなってしまうんですよね。

「教えられる」という行為それ自体にも、非常に大きな危険性も孕んでいるわけで……。

参照:「教えられる」という行為の落とし穴

参照:他人から教えられる答えなんて、対症療法に過ぎない。答えは自分で見つけるものだ。

こういう状況だからこそ、主体性を涵養できる環境を整えられる「無能」な教育者は、必要だと思うんですよね。

今回はちょっと難しい内容で、上手く言語化できなかったのですが、大事なことなので、また別の切り口から書いてみたいと思います。

ではではー!

 

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